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所長ブログ「ケンさんが往く」
2024.06.21
特許法では発明とは技術的思想であると言っています(特許法第2条)。
技術そのものではなく、「技術的思想」というのが大事ですね。
つまり発明者が工夫して、ある具体的装置を作った場合、それはある閃きが基になって装置として実現されたわけですね。
その閃きが技術的思想なわけです。
我々弁理士は具体的装置の背後にあるその閃き、技術的思想を抽出して、特許請求の範囲に表現する仕事をしているわけです。
この場合、閃きをそのまま記述しても技術的思想になるとは限りません。
「技術的」というのが問題で、これは自然法則を利用している必要があるからです(同じく特許法第2条)。
まあ、装置として実現されていれば、普通はこの要件は満たすでしょう。
ただ、具体的装置には、いろいろな雑味(?)が混ざっています。
装置を保護するための筐体とか、装置を動かすための電源とか、安全装置とか、もろもろのものです。
我々弁理士は発明者とのインタビューで、そういう雑味を取り除いた純粋な技術(技術的思想)を抽出します。
ところが、抽出しただけでは終わらないんですよね。特許出願の目的は特許をとることなので、普通は。
特許にするには新規性と進歩性が必要です。世の中には同じようなことを考えている人が結構居るもので、それとの違いを明確にするように特許請求の範囲を考えるというのが、また一苦労です。
そして特許請求の範囲は抽象的な記述になりがちなので、日本語の表現能力も必要ですね。
他の仕事もそうでしょうが、弁理士の仕事も好きじゃないとできないです(笑)。