所長ブログ「ケンさんが往く」

2024.08.13

タイの王室

以前、タイの国旗は三色旗で、その三色のうち一つは国王を表していると紹介しました。

私がタイへ良く行っていた頃の国王はプミポン国王で、絶対的な人気がありました。

 

学者肌で禁欲的で、軍事クーデタの時は積極的に調停に乗り出し、時間があれば地方の状況視察に出向いていろんな提案を行い、写真が趣味(?)等々、穏やかな人柄の名君だったようです。

そのおかげで、英国や日本なんかより、ずっと王様の政治的立場は強固であったようです。

 

プミポン国王が亡くなり、その息子(名前を忘れました)が後を継いだようですが、あまり評判は良くないようです。

お妃以外に側室を持たれているようですし、スイスだったかドイツだったかの高級ホテルに侍従等の宮内スタッフを含めて多人数で年の何か月かを過ごしていて、タイ国内には不在とか。ジェットパイロットの資格も持っているとか(これ自体は悪いことではないですが)。

父王の名君に較べると暗君ということになりますかね。

 

ところがタイは未だ不敬罪があり、国王に対する批判は、我々の常識では考えられない何十年という禁固刑を科されることもあるらしいです。

 

福沢諭吉曰く、天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず。

 

強すぎる王権は、自由闊達な議論を封じ、王様への遠近で身分的差別を生み、これが実は科学技術や産業の発展にも悪影響をもたらすのではないか、と私は以前から危惧していました。

 

というのは科学技術や改良・発明というのは現場から生まれるものなので、現場が軽んじられる傾向のある国はその発達に遅れをとることが多いのでは、と思うからです。

 

近年のベトナムやインドネシアの発展を見ると、タイの人口構成の老齢化もさることながら、強すぎる王室制度にも原因があるのではないか、と懸念しています。