所長ブログ「ケンさんが往く」

2024.08.24

計測数学

私は、大学は計測工学科を出ています。

何故、計測工学科を志望したかって?

ずばり、電子工学科や電気工学科より入りやすかったからです。

 

志望は昭和40年代の高校生としては花形(?)の電気か電子だったのですが、滑り止めにはなりそうにない。

 

計測工学科の内容を見たら、機械・物理・電気の計測以外に制御工学や計測数学というのがあり、計測数学はまだしも、制御というのは、なんとなく鉄腕アトムのようなロボットを連想して好ましく思え、これくらいだな、と軽く選択しました。

 

で、結局、計測工学科へ入ることになり、計測数学の洗礼を受けることになりました。

いい加減な学生だったので、何を習ったのか、細かいことは全く覚えていませんが、確率・統計を基礎にした誤差論とか、信頼性とか、数値解析、最適化、線形計画とか、断片的な単語は浮かんできます。

 

この計測数学を学んだというのは55年くらい前の話ですが、最近脚光を浴びているAIや機械学習の数学的背景は計測数学と被るところが多い、というか殆ど計測数学じゃん、と思います。

 

当時と較べるとコンピュータの発展は凄まじく、近似値や最適値を探るために膨大な繰り返し計算をする必要があったものが、コンピュータで短時間にできるようになったので、ようやく産業界で日の目を見るようになった、ということでしょうか。

 

大学で習う学問は、このように50年先を見越したものであってもらいたいなあ、と切に思います。