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所長ブログ「ケンさんが往く」
2024.11.10
特許事務所がお金を頂けるのは原則特許庁へ出願を済ませてからです。
お客様からの照会が無いイチゲンの方からのご依頼の場合は前金を頂きますが、そのようなことは稀です。
つまり、我々の仕事は比較的長いお付き合いになることが多く、紹介のないイチゲンの方(商工会議所等で発明相談等をやっていたときは時々ありましたが)からのご依頼は殆ど無い、ということです。
したがって、前金は頂きませんから、出願完了後に請求書をお出しして入金となるわけです。
特許の場合、発明者と面談し、技術を理解して、明細書原稿を作成し、発明者の了解を得てから(技術的な誤解等が無いか)出願となるわけですが、発明者は往々にして提案した段階で自分の義務は終了ということで、明細書の原稿チェックの段階ではモチベーションが低下していることが少なくありません。
こいうことは大企業のお客様で多いです。発明者は発明提案が義務となっている場合が多いことから、一生懸命考えて提案をし、面談する頃までは熱が入っているのですが、提案後はその他のテーマに携わって熱が冷め気味になる。
大企業では特許部署がありますが、特許部署では発明提案をある程度纏めて事務所へ出願依頼するまでは管理するものの、出願依頼した後は別件に携わることが多いために、厳密な出願完了の管理は行われていないところも多い。
中小企業はその反対ですね。発明者は継続してその発明に携わっていることが多く、常にその発明のことが頭にある上に、特許部署が無く、発明者が出願管理をしているために、原稿チェックは大体早く、したがって、出願完了も早いです。ただ、原稿作成を急かされることが多く、その割には出願完了して入金の段階でトラブルことがままあります(笑)。
まあ、ベルトコンベアのようにスムーズに事が運んで入金もあればこんな楽しいことは有りませんが、そう旨くはいかないところが、趣味ではなく仕事たる所以ですかね。