所長ブログ「ケンさんが往く」

2025.01.13

旅行者のエゴ

私のタイ渡航歴は2019年のコロナの前で止まっています。

 

最近のタイ情報(ネット等)では、バンコクの高架鉄道(BTS)は路線が新設されたり延設され、地下鉄(MRT)もまた然りで、バンコク都内は軽装であれば(重い荷物を持っていると歩道の段差でキャリーが付いていても大変)どこへ行くにも渋滞を気にせず移動できるようです。

 

一方で、現地へ行っていないので詳細な情報は分かりませんが、路上の屋台は取締りが厳しくなって、次第に姿を消しているようです。私が定宿にしていたサービスアパートの近くには、以前に書いたかもしれませんが、とても安くて旨いカオマンガイ(揚げたもの)の屋台があったのですが、もう無くなっているかもしれません。

 

急速に近代化が進む一方、タイの昔ながらの風情が無くなるのは寂しい、というのは、おそらく、一応先進国と言われる我々日本人のエゴですね。

 

交通の便が良くなり、一見非衛生な屋台が無くなるのは、多くのタイ人にとってはまさに近代化であり、歓迎はすれど、郷愁を感じるものではないでしょう。

 

考えてみれば、名古屋の広小路という老舗道路には、私が物心つく前の昭和20年代前半にはずらっと屋台があったらしいです。それが衛生上の理由で禁止されて小学校に行く時分には跡形もなくなっていました。

 

地下鉄は私が小学校三年生の時に初めて名古屋に、たった三駅で開通したものが、大学を卒業する頃には路面電車に取って代わるくらいに増えていました。

 

思えば10年前のタイは日本の昭和20年~30年代だったような気がします。懐かしい光景が旅行者としては魅力的だったのですが、それは旅行者のエゴでしたね。